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7. まとめ

内航船をとりまく環境は、貨物の海上輸送量が増大する中、競争力維持のため、船舶の大型化、高速化を図り、しかも、少数船員による運航を指向している。他方、船員の需給事情は、構造的な若手船員不足に加え、就労船員の高齢化が避けられないので、運航技術レベルの維持を図りつつ労働力を継続的に確保することが重要な課題となっている。このような状況においても船舶の安全運航は第1に考えられなければならない。
平成7年度海上保安白書によれば、平成6年1年間について、事故による要救助船の隻数は1,700隻に達し、その事故原因は、運航の過誤・機関取扱不良等人的要因が約70%を占めると分析している。
海難事故の発生は、人的被害、船体貨物の損傷・喪失などの直接被害はもとより、例えばタンカーの漏油事故などのように甚大な環境破壊と社会的被害をもたらすものがある。
このような状況のもとで、安全運航をより確実にするためには、乗組員の運航技術を補完し、船舶の保守管理を適確に支援するシステムの開発が必要である。
このため『内航船用機関分析システムに関する調査委員会」は、内航船を対象に機関プラントの安全運航管理と適切な保守管理を可能とする「内航船用機関分析システム」を調査研究した。
本調査結果と若干の考察をまとめると以下のようになる。
?船主、乗組員は現在装備されている機関分析システム(モニタリングシステム)については不十分との認識がある。また、船員不足、高齢化、若年労働者不足等の人的な要因に問題があり、それらの対応策として機関分析システムが必要との認識が船主、乗組員、造機会社、造船会社の内航船業界関係者にあり、内航船の置かれた状況を改善できる機関分析システムの開発を望んでいる。
?内航船機関分析システムの採用条件は、「費用対効果が明確、省力化が立証されること」「誤作動、誤警報、故障等が少なく信頼性・耐久性が良いこと」「操作が簡単であること」としている。
?内航船機関分析の購入価格はほぼ総トン数当り1万円に相当する額を想定している。例えば、500総トンの内航船では約500万円である。

 

 

 

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